皆様、こんにちは。ピアノ講師の石渡です。
9月に入っても連日蒸し暑い日が続いていましたが、お彼岸になりようやく秋の気配を感じるようになってきました。 
 
さて、本日のブログ内容は、私が一番長くお世話になりましたピアノの恩師について書こうと思います。
今、私がピアノを教えるお仕事に就いて、様々な影響を与えてくださった私の大好きなS先生のお話です。
 
今年の5月、私の人生において悲しいお別れがありました。
音大時代の恩師であります名誉教授・S先生が天に召されました。ただただ悲しく、寂しく残念な気持ちでいっぱいです。
あれから、なんだか胸にぽっかりと穴が空きました。

学生の頃から雲の上にいるような存在で、美しい品格のある佇まいで、凛とされていて…いつも姿勢が良く、高いヒールを履いているお姿に圧倒されていました。でも、先生は大変気さくで、チャーミングな一面もあり、いつもお優しく笑顔で私達門下生には気軽にお話をしてくださいました。
幼少の頃から習われてきた方、また、私のように高校の受験期からお世話になり40代、50代になっても…、また60代になっても遠方からS先生の元に毎年のお誕生会や、喜寿、傘寿のお祝いの会、そして卒業しても門下の演奏会に集うことが自然の形になっていました。
S先生のレッスンを受けたいと願い、S先生の元に通う門下生は本当にたくさんいらっしゃいました。
私も、卒業してからもずっと都内にいらっしゃるS先生のレッスンを受けさせていただきながら、交流をもたせていただいていました。
 
訃報の連絡が入り、弔問に伺い、葬儀が執り行われ…先日、都内でS先生を偲ぶ会が行われ、門下生が集まりました。
S先生は、本当にたくさんの門下生から愛されていらっしゃいました。
S先生のお好きだったショパンのプレリュード24曲をリレー形式で演奏する門下生、先生とのレッスンで想い出の曲を演奏をする門下生、エピソードを交えながらの会となりました。
私は、S先生とのレッスンで特に思い出深いショパン作曲・バラード4番を演奏いたしました。
この曲は、私が学生の頃にレッスンをしていただいた曲の1つで、各年代でもレッスンをしていただいた大好きな曲です。
その都度エネルギーをいただきながら、私自身が成長させてもらえた1曲でもありました。
 
今、こうして私が当ピアノ教室(横須賀市)や某音楽教室でピアノを教えることができるのも、恩師との出会いがあり、温かい愛情と深い学びを得られたからこそと感じています。
様々な大作曲家の作品をたくさん学ばせていただきながら、私の良いところを引き出してくださり、たくさんの勇気と気づきを与えて下さいました。
厳しいレッスンもありましたが、それは音楽を追求していく上で必要なことばかりでした。
良いところはお褒めのお言葉をかけてくださり、改善すべきところは何度もご指摘をいただきました。
そして、先生がレッスン中に何気なく弾いてくださったピアノの音色が何とも美しく、私は感動してしまい自然と涙が流れて…なんてこともよくありました。
 
私にとってS先生との出会いは、生涯の宝物となりました。
S先生から私にかけていただいた温かい言葉や励ましは、これから私の人生において、大いなる導きと共に支えとなることは言うまでもありません。
私も生徒さんとの一期一会を大切にしながら、生徒さんに寄り添える先生になれますよう…これからもレッスンに励みたいと思います。
 
そして「いくつになっても、感動する心をもって過ごしていきたい」と仰ったS先生のお言葉を、いつまでも忘れずにいようと思います。
 
深い感謝とともに、謹んで哀悼の意を込めて…